「好きなことなんだから楽しくプレーし続けられるのが一番。笑顔あふれるチームです」-(斎藤監督)。

かねてから横須賀はソフトボールが盛んな地域だと言われてきた。今年は小学生の女子・男子ともに市内の選抜チームが全国大会に出場しており、実力も全国トップレベル。また、過去にはソフト女子でオリンピック金メダルを獲得した西山麗さんを輩出しており、実力のあるプレーヤーを生んできた。

しかし、中学生になると選手らがソフトボールをプレーする環境は激減する。市内でソフト部がある中学は片手で数える程度まで減っており、入学を機に競技をやめてしまう選手も少なくない。

そんな状況下で「ソフトを続けたい中学生の受け皿になりたい」という想いのもと誕生したのが、女子ソフトボールチーム「横須賀ゴールドウェーブ」だ。実業団の日立ソフトボール部で選手としてプレーしていた齋藤優季監督が指揮を執る。今年6月に行われた、全日本中学生女子ソフトボール大会神奈川県予選会では優勝を果たした。

現在チームの中核で活躍する川副楓選手、川村美月選手、室田葉選手も中学にソフト部がなく、同チームで競技を続ける決断をした。「プレーするのは楽しいし、チームとして大会に挑むのはやりがいがある。高校でも絶対に続けたい」と競技への熱い思いを口を揃えて語る。

選手時代の経験から「生真面目に取り組むだけでなく、積極的に競技を楽しむ姿勢が上達につながる」という考えを持つ斎藤監督。理想像として「人を笑顔にする選手」を掲げており、練習は終始明るい雰囲気の中行われる。そのためか、室田選手も「ゴールドウェーブの強みはチームワーク」と団結力に自信を見せる。

8月10日(木)には大阪府での全国大会を控えており、3人は「目標は『日本一』一択」と意気込みを見せる。練習にも熱が入るが、プレーを心から楽しむ姿勢も忘れずに更なる飛躍を目指す。